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| 『療養病床23万床削減の舞台裏 このままでは医療・介護難民が発生する』 |
| (ホームページコラム第1回) |
これは『中央公論』の2008年3月号に掲載された論文で、著者は元財務官僚の村上正泰氏で、年齢は33歳とかなり若い方です。
厚生労働省は、平成18年に医療保険対応の25万床、介護保険適応の13万床の合計38万床の療養病床を、平成24年度までに医療保険適応のみ15万床へ削減する、つまり23万床をいっきに削減する方針をうちだし、法律で決定してしまった。
著者は平成17年当時、財務省から厚生労働省に出向し、保健局総務課で医療費適正化対策の担当をしていたようだが、平成17年12月現在はまだ療養病床の削減案はでておらず、医療費適正化のために、地域の医療機関のネットワークの構築により入院日数を短縮させようと考えていた。具体的な目標は、日本で一番在院日数が短い長野県並みにすること。しかし、その後医療費適正化と療養病床削減が結びついてしまったのが、診療報酬改定であったらしい。平成18年度の診療報酬の改定が4月にあったが(例の3.16%の大幅なマイナス改定)、医療型療養病床の患者さんを医療区分1,2,3の3段階にわけ、1の場合極端に低い報酬とし、医療機関として経営が成り立たない水準にまで引き下げた。つまり医療区分1の患者さんは、いわゆる社会的入院である。結果、病院はこの医療区分1の患者さんをどんどん退院させるようになる。この時点で厚生労働省は、この医療区分に基ずいた医療型療養病床の再編計画(病床数の削減)を思いついたわけである。またその時点で、介護療養病床を(介護も財政が圧迫しているのは周知のとおり)、医療制度改革に合わせて進める必要があるとのことで廃止を急きょ決定した。
著者が指摘しているのは、このような大事な法案を決定するまでのプロセスが拙速であること、厚生労働省内の複数の局(たとえば医政局、老健局、保健局)がきわめて縦割り的で、横の十分な議論がなされないまま、決定していくこと、さらに社会的入院とした医療区分1(一部医療区分2の患者さんがはいっている)の患者さんが、本当に社会的入院なのか、15万床というデータが患者の実態を正確に反映していないとしたら大変なことになると警笛をならしている。
しかし、2008年5月25日の新聞で、厚生労働省がこの医療型療養病床25万床は維持するとの方針転換を行ったと報道された。今までですでに病床の転換を行ってしまった病院も多々あると思われるが、この政策のあいまいさ、どうにかしてほしいところである。
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石川勤労者医療協会 城北病院外科
斉藤典才 |
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