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医療ニュース ももたろう倶楽部2007年秋号162



保湿剤の使い方を見直そう

 寒い時期になり、皮膚がカサカサしてかゆくなってきた人が多くなってきました。「風呂上がりにクスリをつけているのにカサカサしてかゆいのです」という訴えです。そんな患者さんに実行してもらいたいことが今回の内容です。

保湿剤は4時間ごとに

 そもそも保湿剤の目的はですね、しっかり保湿して皮膚の敏感な状態を和らげることにあるのです。それでステロイドの使用量も減らそうというわけです。保湿剤の効果を最大限発揮するためには、いったい何時間ごとにつけることになると思います?4時間ごとです。最低でも1日3−4回以上とイギリスのアトピー性皮膚炎のガイドラインには書いてあります。「風呂上がりだけ塗っています」というのでは、全然足りません。
 保湿剤は皮膚がしっとりしているときに使うのがベストですが、それ以外にも自由に頻回に使うべきです。保湿剤を入念に何度もつけてもらう必要があるので、ステロイドは保湿剤と混ぜて処方していません。ステロイド外用薬と保湿剤は別々に処方しています。

お風呂上りはステロイド、30分後に保湿剤

 風呂上がりにまずつけるのが、ステロイド。皮膚がしっとりしているときの方が浸透性が10倍いいので、赤いところ、湿疹があるところ、かゆいところにはステロイド外用薬をまずつけてもらいます。それから保湿剤をつけるのですが、すぐにはつけません。ステロイドが浸透するのを待ちます。ステロイドをつけて30分してから保湿剤をたっぷりとつけてください。
 風呂上がりにつける保湿剤はヒルドイドローションの人もいますが、皮膚の乾燥程度が強い人ならアセチロール軟膏にしています。尿素の結晶のため皮膚にチクチクした刺激感があるのが欠点ですが、保湿性が長く続き、ワセリンみたいにべたつかず、使用感もよい外用薬です。ヒルドイドの使用感の良さとワセリンの保湿性の良さの両方を持っています。

寝る前と朝はヒルロイドローション

 風呂上がりにつけたら、次につけるのが寝る前です。このときは手早くつけたいのでヒルドイドローションとしています。
 朝起きたら、再度保湿剤をつけて下さい。ヒルドイドローションにしています。これで1日3回つけることになります。湿疹の状態がよくないときには朝にもステロイド外用薬をつけます。皮膚の状態がよくなっても保湿剤を朝つけるのを忘れないでください。

顔にはプロペド

 顔に使う保湿剤はプロペトが基本です。プロペトは眼軟膏にも使うワセリンなので、刺激が少なく、目に入ってもしみません。それで顔にはプロペトとしています。ヒルドイドローションも顔に使えますが、顔につけると赤くなることがあります。自分に合うか確認してから使ってください。プロペトのベトベト感が好みでなく、ヒルドイドローションをつけても赤くならないというならヒルドイドローションを顔につけてもOKです。とにかく、何らかで保湿することです。

細菌感染は抗生剤内服から

 細菌感染を併発しているとき(いわゆる、とびひなど)は、範囲が広かったり、繰り返すケースでは抗生剤の内服をします。どんなバイ菌がついているか培養をしてから抗生剤の内服をスタートし、培養結果を見て抗生剤の変更する必要があるかを検討します。抗生剤配合の外用薬として、リンデロンVGクリームなどをとびひにこれまで使っていましたが、これよりもアクロマイシン軟膏の方が効くということを、同僚の三上先生から聞き、試してみたら確かにそうでした。現時点ではアクロマイシン軟膏を使っています。アトピー性皮膚炎で皮膚感染を起こしているときには、通常のスキンケアの後にアクロマイシン軟膏→しばらく時間をおいてからステロイド外用薬の重ね塗りです。マイザー軟膏でないとうまくいかなかった湿疹でも、この重ね塗りならロコイドクリームの弱いランクでもよくなった患者さんもいます。

一番効かせたい薬から塗る

 ポイントは一番効かせたい薬からつけて、浸透するのを待って重ね塗り。最後は保湿剤で仕上げることにあります。ほとんどの患者さんで保湿剤の使う回数、その量は非常に少ないのが現状です保湿剤をたっぷり、せっせとつけて、少しでも快適な冬にしてください。

小児科 松本一郎

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